Whirlpoolさんの「ワールド・エレクション」感想です。
ワールド・エレクション 応援バナー


2016年2月発売作品。

ワールプールさんの10周年記念作品、「ワールド・エレクション」。
we13

変革の日、異世界が融合し、そして20年。
世界統一後の世界、様々な種族が通う、自治特区ヴァレロン国際学園で、
新人類の能力者ネオスの一員、獅子堂敬が、
学園に居続けるために生徒会長選に立候補することから、
周囲を巻き込んで、これまでにない盛り上がりを持つ生徒会選挙となる。

それとは別に。
獅子堂敬の部屋が、部屋外から隕石のごとく降ってきたクルルによって、
さらに混迷を増すことに……。

ということで、感想です。
ネタバレ、強めかも。

いやあもう、この「れみぜら!」がすごくいいですよね。

さて。総合的にいってしまえば、すごく面白かったです。
特に前半。
びっくりしました。さすが10週年記念作、と思ったほどです。

明るく軽い雰囲気は、ライトノベルのよう。
でも、そのスラップスティックの中でも、きちんと好きの気持ちの発露が描かれています。

それぞれのキャラクタに、抱えている自分のこと、周囲との関わりがあって、
主人公のことが気になっているけれど、ちゃんと踏み出せない。
気になっているけど踏み出せていないからこそ、今回の事態が発生していたんですけど、
この会長選挙が進んでいくことで、少しずつほぐれていく。

それは、向き合うことだったり、気づくことだったり。
キャラクタによっては、好きという気持ちをきちんと認めることだったり。
どんな形になろうとも、前向きに捉えていくこと、
それを据えたのは、とてもいいところですね。

明るさを感じるから。

その後、気持ちがつながる、告白のシーン。
ヒロインによりますが、そうきたか!というシーンがあって、感嘆。
パーフィルとか、設定をうまく使ってましたよね。
we17

また、何よりですね、こもわた遥華さんのSDがものすごく豊富。
まーもー、堪能できちゃいます。
体験版でもここは感じられると思うので、ぜひぜひお試しを。

それらで、ヒロインができています。
なので、どのキャラクタも魅力的に思えました。
あざとくない、でも、かっわいい。

共通ルートはとにかく、コミカルで明るく、それでいてほっこりしたりと、
やっぱり恋愛ADVはすごく好きだな、と改めて感じさせてくれた一作でもありました。

プレイ中盤までは、Whirlpoolさん、10週年で気合が入ってる!と感じるところばかりで、
「お~!」と声を上げて楽しんでいました。

サブヒロインの数も多くて、ちょっとびっくりするレベルではあるんです。
この盛り込みで、延期せず発売日を守り続けているWhirlpoolさんって本当にすごいと思います。

ルートは、獅子堂伊織、パーフィル、ファウラ、ソフィア、クルルの順で。

その、伊織シナリオがとてもよく、これはルートを固定化させてもよかったのでは?と思うほど。
we18

敬が学園でだらしなく過ごしていると、父に密告し、
父の元へ強制送還させようとしていた。
が、能力が元で、学園で孤立している敬を不憫に思い、
向こうで暮らしたほうが幸せだと思ってのこと。

……なのですが、体験版をプレイされた方は、結構、強硬な手段を取ったな、と思いませんでした?

選挙に出ることにして、強制送還を回避しようとする敬に対し、
選挙管理委員となることで、支持者になれないようにするなど、
やや好感度下がるくらい、強引さがありましたよね。

しかし。
なるほどな~、納得感の高い展開でした。

敬の能力、ダミーメイカーは、いつからあったのか。

意外と重い展開で描かれ、後半こそ流れるようでしたが、設定の勝利というか。
強い納得感はありました。

その他、繰り返しになりますが、パーフィルの告白シーン。
そうきたか!と、これも設定をうまく活かした場面設定。

逆に、ファウラ、ソフィアについては、もうちょっとかなと。
ファウラは安直な気がしてもったいないですし、
ソフィアに関しては、もっと盛り上げて欲しかったですよね。

また、大きな問題と感じたのは、クルル(沢澤砂羽さん)ですね。
we15

(ミニゲーム本当にうまくなりません……)

クルルのルートでは、獅子堂敬は、枷を外します。
これまでの能力の前提条件を覆す、というほうが正しいですね。

その、開放された力を使って、起きた事態に挑む獅子堂敬ですが、
うーん、残念ながら途中で、このストーリーを受け入れられませんでした。

プレイされた方は、わかると思うのですが、
このクルルのルートでのダミーメイカーの扱いと、獅子堂伊織ルートのものでは、
どうもバッティングするようなイメージを持ってしまったんですね。

なぜ、そんな能力が生まれたのか。
それは、義妹の伊織とのつながりでもあったもの……という設定だから感動したのもあって、
Trueとも呼ぶべきクルルルートでの、この使い方、そして能力の果ては、
じゃあ、伊織は、いつになっても救われないのではないか、ということに、思えてしまったんです。

かといって、クルルルートに入らないと、変革の日の世界は、爆弾を抱えたままになる……。

だから、ちょっと、悩みました。

ルートに入ると、「敬くんとは○○というところがあるよね」というフレーズを、
繰り返して使うようになります。
朴訥としながらかわいらしい。
だからこそ活きる、「敬くんなんて嫌いなの!!」。
ただ、設定は、こうでなければいけなかったのでしょうか。

どちらかといえば、伏線で見られた、変わりたくないという変化への拒絶を、
主人公が大事にする、そのために……というストレートな展開のほうが、よかったかな。


とにかく、共通ルートで、すれ違った仲間たちが、認め合っていく流れは、とても秀逸。
ああいうの好きです。
we16

「ったく、お前はよー」なんて、ファウラが背中で語るところとか。

欲しいという気持ちの表現が分からないソフィアとか。

恋を恋だと、心に定めるパーフィルとか。


今作は、少々、難しいところもあるのだけれど、
派手な戦闘演出もすっごくあったし、
10週年記念ソフトらしい、お祭り騒ぎ!なソフトだったかも。

堪能しました。
ワールド・エレクション
ワールド・エレクション