ねこねこソフトさんの「すみれ」感想です。
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2015年5月発売作品。
ねこねこソフトさんの15周年記念作「すみれ」。

すっごく面白そうで、だからこそ、ちゃんと時間がとれた時にプレイしよう。
そんな風に思って、積んでいました。

体験版をプレイしてから2年近くになりますが、
そのときの、作品の印象は強く残っていて……。

新しい年を迎える締めには、こういう作品がいいかなと思ってプレイしました。

それでは、感想です。
ネタバレは少しあるんですが、恐らくこの作品って、プレイしないと伝わらないと思います。



まず、何よりも。
この「Sleeping Pretend」。
歌は、真里歌さん。曲は、project lights、丸山公詳さん。
本当に凄い曲だと思うんです。

プレイ前に聞いても、作品の雰囲気が伝わるし、
作品中でも、何度も曲が流れます。
それだけ、必要なテーマ曲になっているんです。
歌詞を読み返しても、よくわかる……。



この曲には、色んな登場人物の思いが入っていますよね。

Sleeping Pretendというタイトルも、寝たふりと訳すことができますから。
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作品に対して、この雰囲気が伝わるもの、伝わる人というのは、あるはずです。
体験版をプレイして、ぜひ、そういう思いに至った人には、プレイを続けて欲しいと思います。


ねこねこソフトさんの作品は「ゆきいろ」しかプレイしたことがありません。
ありませんが、こうやって、時間を軸に、または人と人と、繋がりが描かれているのって、
すごく良いと思うんですね。

そういえば、みずいろシステムって、そういうタイプのものなんですよね?

ヒロインは3人います。
でも、やっぱり。すみれ/モエ(上原あおいさん)ですね。

プレイスタート時は、うつむいていました。
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「……どうしてわたしは、人になじめないのだろう……」
今日のことを、後悔してしまう。

休み時間のクラスでは、ずっと寝たふりをしている。
誰かが自分の嫌な話をしていても、嫌だとストレートに告げることができない。
人によっては簡単なこと。でも、それが難しい。
ひとしきり悔いたあと、以前だったら本を読んでいたけれど、
風呂上がりの濡れた髪のまま、ノートパソコンを起動させる。
「わたしはモエ。明るくて、ちょっと天然で、クラスで人気者のモエ……」
自己暗示をつぶやいて、ログインする……。

別な世界を用意されているから、そこでだったら別な自分になれる。
けれど、使い分けをするでもない。なりたいからそうしているだけ。
だから、ふと、戻ってしまう。

「寝たフリなら、誰にも負けないつもりだったけど……。これからは、愛想笑いも……」

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物語が進むと、ちょっとポンコツになる、そんな初芝すみれ。
そこもすごくかわいらしくて、彼女が本当に世の中に表現したかったんだろう、
自分はこういう存在なんだと伝えても大丈夫だと、思えてからの彼女も、
とても魅力的でした。

彼女こそが、メインヒロインなんだろうなぁ、とは思いたいところです。

ですが、他のキャラクタだって、負けてない。
どころか、物語としては優っているところもある。

ピンク/雛姫(夏野こおりさん)のリミットこそ、自分を守るための殻だと思うし、
多恵/ひかり(まきいづみさん)の重さは、どうしようも無いと思う……。
殻にしろ、重さにしろ、無理も無いものばかりです。

時間を巻き戻すことは出来ないから。


それは、主人公”健ちゃん”もそうだったわけで……。
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かつてはまっていた、そして大事にしていたものたち。
それを、生活の流れの中で、大事にすることができなくなっていた。
だから、勢いで捨てることも……。

身につけたスキルは、愛想笑いと、そして。

そんな生活をしながら、”かつて”を求めてなのか、
今日もログインする。

けれど、”健ちゃん”じゃない……、なれない。


そう描いただけで、最終的に、みずいろシステムなんて呼び方は、後付けなのかもしれません。
だとしても、全てのものが上手く繋がっていて、
全ての人たちが、違う立ち位置にいることができる。
これこそが、ねこねこソフトさんらしさかもしれません。
そこはかとない、読後感。


そうそう。
こんなチラシも入っていました。
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ずっとオートモードで遊んでいました。
音楽をうまいこと差し込んでくれているので、
きっとその演出と合ったタイミングで遊んで欲しいということなんだとも、思います。

上原あおいさんは本当に素敵です。
自分の殻を破った瞬間にかかる「Sleeping Pretend」は、また違った気持ちで聞くことができます。

重たさは無い、と思います。
だけれど、なんていうか、すごく浸れるシナリオでした。
テキスト一節一節が、指先にまでくる、そんな。

最後までたどり着いてから、タイトルに戻ると、
同じタイトル画面のはずなのに、またちょっと、違って見えます。


”離れぬよう、流されえぬように、ぎゅっと……。”

すみれ【予約特典:特製サイン色紙(複製)付き】
すみれ【予約特典:特製サイン色紙(複製)付き】