OVERDRIVEさんの「僕が天使になった理由(わけ)」感想です。
僕天応援バナー
2013年発売作品。
オーバードライブさんの「僕が天使になった理由(わけ)」は、
恋を結ぶ天使と、それに関わる主人公を描いた物語。

ずっと、積んでしまっていました。
正しくは、痛みが怖くて、先に進めていませんでした。

それでは、感想です。
ネタバレは少しあるかも。


ストレートな、本当にまっすぐな恋の物語を感じさせてくれた体験版1と、
どうやらそれだけではないと感じさせる体験版2

体験版1だけで、十分買う気になっていたんですが、
体験版2で、急に怖くなったんですね。

それは、どちらを選んでも、ハッピーエンドが見えなかったこと。

恋を取り扱った作品ですが、必ずしもうまくいくとは限らない。ですよね。
そのシビアさであるとか、選択した未来と、
選ばなかったことで失うものをしっかり描こうとしている。

少しだけ、何となく誰かの後悔を見せる、というものではありません。
例えば、天使が縁を結んで、晴れて恋人になれたのだとしても、
それは、親友との関係を永遠に失うかもしれない。
bt2

失うモノ。
そこをしっかりと見せているのは、なかなかないですよね。

この選択が、何度もあります。

何度も有ることで、「恋することはいいことだ」とも、単純に言い辛いし、
けれど、冒頭、体験版にあったような姿を魅せられては、
恋を否定できない。
ここが、怖かった。


いい物語だと思います。

思ったのが、ですが。

途中、良くないと思えてしまったのは、これらの様々な恋模様へのアプローチに対し、
ルート選択を与えていることじゃないかなと思うんですよ。

それぞれの恋模様と、ヒロインたちの選択は、
一緒にするのはおかしいですよね。
だって、別な恋ですから。

bt1

体験版で感じられた、宇久津花代の恋とか、本当に刺さりました。
グラフィックも展開も全て好みでしたから。

そこは、納得し難いところです。


……と、途中では思っていたのですが。
全ては、後に明かされるルートのためだったんです。

若松みなも→久賀百合→奈木崎奈留子と進めるのが良いかもしれません。

その先もルートがあるのですが、この奈木崎ルート。
ここが、物語を、主人公桐ノ小島巴へと戻すお話になってくるんです。

そう考えると、すごく構成がうまいなと思いました。

今まで忘れていた、天使業。
これについてもフォーカスされていき、最終章への盛り上がりを見せてくれます。

その先も読み進めて思ったのは、
他のヒロインと仲良くなっても良い展開にはなったようには思えないし、
でも他のヒロインは、巴が関与しなかったら、確実に不幸なままです。
ここが苦しいですね……痛みがある。
bt3

正直、みなもはとても可愛いと思いますし、好みです。
どうなるんだろう、どうなるんだろうって、選択の度に思っていました。

グラフィックも展開も、何より声の担当がすごく良かったのかも。
白雪碧さん。すごく合ってましたよね。

奈木崎が心を取り戻す直前の演技とか。
鈴田美夜子さん。
さすが、と思ってしまいました。

今だから思えば、シーンはもう少し長めにとってもいいかなと思うのですが、
本筋の恋することとは違うわけで、だからなのかなと思うと理解できますね。

そして、アイネ。
収束する物語。
回収される伏線たち。
ここまでくると、出された新たな謎についても、
プレイヤーのほとんどは全て答えに気づいているけれど、
でも、その提示された謎と、その属性に気づいて、
受け止めやすくなっているんです。

「そんなの、悲しいです……」
アイネのつぶやきが、全てを表しています。
bt5

だから。だからこその選択。
ずっと笑うことのなかった少年は、ついに笑顔を向けることになります。
そして、自らの使命を担うのです……。


これだけ面白い作品を。購入当初にプレイしなかったことを悔やみます。

時代を反映していたのかな、と思ったりもします。
当初は、今より少し暗い話が受けたのかもしれません。シリアスなやつで。
当時リリースされていたものをふりかえると、そういう気がします。

時代にあったタイミングというものがあるんですよね。
それを活かして、リリースされたらしっかりプレイしておくことだと思います。
積んでは、いけないのでしょうね。
bt4

素晴らしい作品に感謝を。



また、この作品は、OVERDRIVEさんの最後の商業作品と銘打たれています
それは凄く残念に思います。