Clothetteさんの「はるるみなもに!」感想です。
【はるるみなもに!】情報ページ公開中!
2017年3月発売作品。

クロシェットさんの「はるるみなもに!」は、海沿いの町、神様がいる玉津江での物語。
神として生まれた子、神になった子、神として生まれたが土地を持たぬ者……など、
神様が多く登場する作品です。

原画は、待望のしんたろーさん。

それでは感想です。
ややネタバレあり。



このシステム周りでとても嬉しいのは、
セーブファイルがどんどん作れるところ。
この場面良いな!と思ったらお気に入りにするつもりでセーブしてしまうんですが、
今作も19ページ作ってしまいました。
これは、他の作品では足りなくなったりすることも多いのです。

ジャンプ機能は何段階かあっても良いと思います。
次の選択肢へ、というのもあっても。


しんたろーさんの作画は、「プリズムリコレクション」以来ですが、
ものすごく進化していますよね。

口元目元の表現がすごくレベルアップしていて、
とにかく色っぽいです。
スタイルの作り方もそうですが、立ち絵から既に魅力的。
これほどにまで色っぽく感じる方も珍しいですよね。

だから、差分も本当に魅力的。
ちょっと力を入れているなー、とか、不満そうだなーという顔さえ魅力的に見えます。
表情がとにかく豊かで、差分を確認したらとんでもない数になっていました。

どのキャラクタも被ることがなくて、
少しずつ、魅力を感じるポイントがあるデザイン。

別院紗智穂(奏雨さん)の指に巻いた髪は気になるし、
今小町丹菊(榛名れんさん)の表情と私服胸元は気になるし、
もう、サブキャラクタですら気になってしょうがない。
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また、それらを使ったバトル演出もすごいです。
一般的な伝奇バトル作品を超えています。

音楽もなかなかです。
場面をしっかり盛り上げてくれます。

さて。
クロシェットさんといえば、萌え+えっち部分。

相変わらず濃いというか盛りだくさんです。

ただ、たまに物語りや場面とかを無視しているような状況が幾度か。
遭難しかけているけれど事に及ぶとか。
ちょっとどうなのかな、と思うところもあります。
それでも、とにかく全力でお互いのことしか見ていない、というのがいいですね。

最終的には全部子を成すという終わりなのですが、
物語を次を提示するための終わり方。

物語の大きな肝を語られるといえば、山神水緒里(遙そらさん)の物語になるでしょうか。
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体験版では、玉津江で力のある現人神、そして主人公の妹でもある水緒里が、
先祖伝来の言霊を一時的に抑止して、山を降りるということをやってのけたところで終わりました。

神として生を受けた水緒里は、二代目になった代替わりを、御滝の流れが止まることで知らせ、
最初に名前を呼んだのも、父や母でなく「おにい」。
ただの人間だが神の水緒里にとっての特別な存在になったと自覚し、
神職となれるよう、様々なことを努力で身につけてきた。

ある日を境に、水緒里の世話を外れることになる。
兄妹でも男女としての自覚が出たということ。

ずっとその妹に仕えるつもりで自分を律してきた主人公は、
しかし、神力を増幅することができる事に気がつきます。

新たな海神候補が訪れたこともあり、水緒里は主人公を解き放とうと、告げる。
「卒業しなきゃいけないのは、私も一緒でしょ」
心の問題。

神様としての問題は、水緒里の力が暴走するということ。
過去にも一度起こったが、それを止めたのは主人公だということ。

このふたつが展開されていきますが、
サブキャラクタも巻き込んで物語は展開していきます。

解決策がギャグにしか思えないのですが、
確かに考えてみれば、神話の世界は割とそういうこともあるな、と思うんです。
でも、なんとなくギャグが強く感じます。
深刻さは残さないように、という意向なのでしょうか。

全体的に、深刻さが低くは設定されていますが、
でも、これからどうなるんだろう?という気分はかき立てられます。

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伊吹明日海(波奈束風景さん)の物語も面白かったですね。
海から来る者、というのは怖さもあって面白い。
体験版で盛り上がりがすべて終わってしまうかと思ったのですが、
ちゃんとその後も残してくれていました。

立ち絵がまたこれかわいらしくて。
ちょっとツンとした感じの「山神」と名字呼びするところとか、
波奈束風景さんにすごく合っているなぁ、と。

最後、解決へ向かう直前を寸止めにした理由はちょっとわかりませんが、
さすがにずっこけました。

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そして松房英麻(花澤さくらさん)。
明日海ルートがそうでなかったため、人間らしく心の問題、
それを中心にしてくれるかなと思っていたのですが、
なかなか王道に進んでいって、良かったと思います。

どのルートでも、サポートする、支えようとしてくれる、
とても魅力的なキャラクタなのですが、
何となくサブキャラクタ体質なんですよね……。

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全体的にキャラクタを登場させて集大成としたのが、春ヶ崎叶(歩サラさん)の物語。
元々人間だったが、1年前の事故から神様となり、
しかし力が弱く、結界を張り直すこともできていない。

それでも頑張ろうとする、亡くなった親との繋がりを求めて。
そして、元々弱かった身体が、神様となり肉付きも良くなったから。
協会から派遣され、玉津江の海神となったことを、主人公との出会いを大事にしたいから。

これは歩サラさんにぴったりなキャラクタですね。
「あのね、」と言うだけでかわいい。

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キャラクタの魅力を引き出すところは本当に上手いです。
魅力の一つは、サブヒロインを置いてけぼりにしないこと。
そのためにサブヒロインは居たんだ、きちんと物語に組み入れられているんだ、というのが分かって、
とても良かったです。

ただ、ルートによっては、本当にハーレム展開があってもおかしくない、
むしろ見てみたい、という風に思うことは何度も何度もあります。
ですが、クロシェットさんは、ハーレム展開にしません。
何らかのこだわりがあってこそなのでしょうね。

というか。
選ばれなかったヒロインが物わかり良くて、なんか申し訳なく思ってしまいますよね。


思い起こしてみると、クロシェットさんの作品で、
すごくいいルートというのはなかなか巡り会ってないように思います。
ちょっとすぐには思い出せません。

全てのヒロインで必ずハッピーエンドにさせるというのはとても嬉しいし、
良かったなぁ、と思いながら終えられるんですが、
ルートは5人必要だったか?といわれると、ちょっと分からないなと思えてしまいます。


結構面白かったのですが、意外性と、このルートはオススメだなと推せるようなものが、
ちょっと足りなかったかな、なんて思ってしまいます。

しかしグラフィック面は最高峰です、本当に。
画面を見ているだけで楽しい。
これほどのクオリティはなかなかお目にかかれませんよね。

また、作品が見られるのは来年になるのだと思いますが、
期待したいです。