Escudeさんの「Re;Lord 第三章 ~グローセンの魔王と最後の魔女~」感想です。
『Re;Lord 第三章 ~グローセンの魔王と最後の魔女~』応援中!
2017年7月発売作品。

エスクードさんの「Re;Lord 第三章 ~グローセンの魔王と最後の魔女~」は、
リアルタイムバトル×SLGという、遊べるかつストーリー性の高い作品です。

2014年発売の「Re;Lord~ヘルフォルトの魔女とぬいぐるみ~」、
2015年発売の「Re;Lord 第二章 ~ケルンの魔女と黒猫~」に続く三作目。

2年越しの続編、というか、”厄災の魔女”最終話です。
本当に待っていました。

今回は体験版がなく、どんな内容なのか、少しおっかなびっくりでした。
2年ぶりですし、プレイするにも、身体が覚えているかな?というようなことも少し思ったりしました。

それでは、感想です。
ネタバレほぼ無いと思います。

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ここまでの流れは。
三人の魔女に制圧された魔王国ザールラントの解放のため、
グローセン州知事の息子ヴィルフリートが立ち上がる……というのが第一章。

その過程で、ヴィルフリートは、失われた”魔法”の存在に出会う。
さらに、この先を予見するかのように、”色の無い空”を幾度も見る……。

事態は魔界の軍部だけでなく、天界にも波及する……というのが第二章。

そして、それらの事態に、一応の完結がもたらされているのが、この三章です。

ヘルフォルトの魔女エーリカを従え、ケルンの魔女イリスと対峙するが、
勝利はしたものの……というところから第三章が始まります。

どんな作品なのか、わかるのはムービーでしょうか。
マップをブロックで埋めていくように進み、戦闘はリアルタイムバトルです。


これは、第二章の紹介ムービー。
今回の第三章ではムービーの公開がありません。


攻略的なお話をしますと、今回、最初からヴィルフリートのレベルが高いです。
レベルが上がらないか?というとそんなことも無いのですが、
これは第三章まで戦ってきた彼の成長を示す演出だと思います。
ですので、後半まではさほど苦労しないと思います。

でも、装備の増強はしっかりしたほうがいいです。
物語の流れで、ベトルーク商会ショッピングチャンネルをいつでも買えるとは限りません。

装備を増やすためには資金ですが、
資金を得るには、マップ上の制圧による税収増加。
あるいはアイテムの売却になります。

税収は、ターン経過ごとにもらえます。
マップ上の宝箱の中身がお金であることもありえます。

アイテムは、宝箱以外だと、戦闘による獲得、そして今作の新要素、
調査隊の派遣。
制圧した箇所の調査を行うことができます。

担当者の相性?というか気分?によって成果が違いますので、
多くの担当者得た方が良いのかもしれませんね。
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また、しっかり成長させるという意味だと、
こちらも新要素の、地下通路に入って戦闘をすることが良いと思います。
やられてしまうとアウトですが、生き残っていれば経験値もブロックも得られます。
地下通路はすぐにブロックが壊れてしまいますが、ターン数が減らないのが何よりの特徴です。
ただ、地下だとベトルーク商会も呼び出せないので注意。

戦闘に置いては、今回、ジャストガードと対を為すように、
ジャストアタックが追加されています。

例えば、エーリカを連れてジャストアタックをすると、
「蒼雷の追撃」を行ってくれます。
ヴィルの攻撃した相手に、雷魔法による追撃をしてくれます。
エーリカの場合は、確率で敵の詠唱をキャンセルさせます。

また、ガード直後に攻撃するとリバーサルとして数倍のダメージを与えることができます。
ボスキャラクタにはとても使えます。

今回は、追加敵キャラクタに、ドラゴン娘なんかもいますね。

それらの新要素も盛り込んであって、戦闘またはSLG部分、とても楽しめました。


さて、物語です。
まず、冒頭から、「何があったの!?」と思うような始まり方をします。
ちょっとショックを受けました。

そして今作は、これまでの伏線が全て使われる、というくらい、
色々な事が明かされました。

エーリカの思い。
「あの時のあんたは笑っていたわ。まるでその場の状況を楽しんでるようにね」
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エリスの、絶えた望み。
「――厄災の本質に何も辿り着けていない」

アリシアの、絡み取られた願い。
「私は、お兄様の、お兄様に……」

それは、従者のフィーネや、カヤだって同じです。

ここまで、マントの話であるとかお父様フェチ(?)をはじめ、
魔女たちもお茶目だったりして、コメディ風味なことをしたりと、楽しませてくれたわけですが、
秘められたことが明かされる、それ以上に、登場人物たちの行く末に決着がつけられているのです。

場合によっては、登場人物たちに、これまでのコメディ色が微塵も感じられないほどに、
苛烈な展開が用意されていたりします。
とことん物語を描くことを重視した形です。

第二章のクリア後のお楽しみ、キャストコメントで、
バイヨネットのアードラを担当する桜川美央さんが仰っていたように、
「アードラが出てくると、空気がピリっとする」
「『Re;Lord』の雰囲気とアードラがギャップある」……はずだったのですが、
今作ではピリピリしっぱなし。

キャラクタに、これでもかというくらいの落とし込みをしていく。
最終章らしく、それぞれのキャラクタに結末をつけていく。

思いを遂げたもの、届かなかったもの。それぞれ。
急展開と思ってしまうほどに辛いものも、中にはあります。

だから、一気に読み上げてしまいました。
読んでいると、キャラクタ並に悲嘆に暮れることもありますし、
届きそうで届かない場面ではヤキモキしますし、
もう本当に楽しませていただきました。

「見て欲しい、この世界がどんな世界か――本当にその覚悟があるのなら」
リアとヴィルフリートのはじまり。

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「過去を変えたい――そう思ったのは誰だ?」

魔女だけでなく、リアも、過去がありました。
メインヒロインとしてスポットが当たる、のではないけれど、
物語を描くにおいて、とても大事な事柄を握っていました。


水鼠さんのキャラクタも、西村悠一さんのシナリオも、すごく良いです。
TOY[studio primitive]さんの音楽も、今回もすごく良かったです。
主人公ヴィルに古河徹人さんの声が入っているところも、これまた。

物語の長さ≠密度、ではないということに、すごく驚いています。
でも、それは、作品全体をしっかり見直しているからじゃないかな、ととても思います。

そうなんです。
画面を見たときの印象が、とても良いと思います。
SLGにしろ、バトルパートにしろ、すごく良いですよね。
それは、細かいところまでしっかりデザインして、考えているからだと思うんです。

これが、作品全体にしっかりと行われているんです。

ちょっとしたシステムへの変更であるとか、
ヴィルのレベルが高い状態なのも、物語の流れから考えれば当然ですし、
アイテムショップで変なものを買ったときに、すかさずツッコみが入るのもそうです。
楽しいんです。徹頭徹尾。
細かいところでの演出が光っているんですよね。

さすが、エスクードさん。


ただ、最終話だけあって、エンディング後の座談会的なもの、嘘予告が無くって少し寂しいです。
彼らの旅は、一応の終わりを迎えたということでしょう……。

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このタイトル画面が、ネタバレですが、
あくまでも本作は「~グローセンの魔王と最後の魔女~」です。
しかし、この三部作は「厄災の魔女編」なのです。

魔界において、厄災の魔女と呼ばれる事変。
その完結編。
部屋にあったクローク……じゃなかった、マントもないですし、
置かれたテレビの画面には……。

「過去を、変えられたんだろうか」



正直、ぜひ補完する物語が必要だと思うんですよ。
あのエンディングは。

誰かを救おうと願った世界で、自身が打ち捨てられて、そのまま消えてしまったかもしれない少女のことも、
誰かを失いたくなくて、取りこぼしてしまった女の子のことも。
誰かを信じて、そして思い故に撃てなかった女の子のことも……。
誰かを求めて、時を流離い、変えたかった悔いをまた負わされた女の子のことも。

ぜひ、ください。



未プレイの方は三章セットもあります。