PurpleSoftwareさんの「アオイトリ」体験版1をプレイしました。
【アオイトリ】応援バナー
purpleSoftwareさんの新作は、”祈りが紡ぐ、命の物語”、「アオイトリ」。
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人里離れた霧原学園に捨てられた子は、そのまま学園で育てられた。
そして、全寮制女子学園の唯一の男子生徒にして、神父になった。

少年のうちに、誰かに触れると、相手を幸せな気持ちにできることに気づく。
そしてそれが、学園という籠の中において、唯一の男子生徒だったことが災いした。

単なる接触以上のことをすると、より幸せを与えられる――、
”あの男は、頼めば不安や恐怖を消してくれて、天国にいるような幸せと快感を与えてくれる”、
という噂になる。

以来、与えられた礼拝堂付きの屋敷で、夜ごと頼みに来る少女たちの相手をしていく。

そんな白鳥律が、珍しく、自らの身の上を相手の少女に語った夜のこと。
痺れる寒さを身に浸らせ学園の敷地を歩いていたら、
――桜が咲いていた。

今は、冬で。これが、異常なことでなければ、とても美しい光景。

その景色に、律が手を伸ばすと……不意に携帯電話が鳴る。
出ると――
「ねえ、どうしてあの時、私を助けてくれなかったの?」
その声は、数年前に律が死なせてしまった少女のもので……。

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体験版は、681MBでした。

原画は克さん、あきおさん。
企画原案シナリオは御影さん、それと、シナリオに緒乃ワサビさんも参加されています。


こういう路線できたのか。
最初の画面を見て思ったのが、まずこの気持ちです。


開発コラムによりますと、
暗い洋館ものではなく、学園恋愛ドラマということでしたが、
暗い洋館ものだというイメージは、体験版1を終えた今でも、変わってはいません。

おそらくここから、学園恋愛ドラマへ移行するのだと思います。
そのように、開発コラムでも書いてありますし。
でも、学園に入ってもこの暗さはあるだろうし、直面するものなのでしょう。踏み越えすぎている。

ですから、また暗い話かと、少しがっかりしました。

どちらかと言えば明るい学園モノのほうが好みでしたから。
「あると」とか「明日の君と逢うために」とかね。

登場するヒロインの特徴も見ていますと、非常に偏った好き嫌いがあるようです。


ですが、すごく面白かったです。
密度は濃く、他の作品でファンディスクをプレイしたかのような気分でいます。
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登場するのは、何よりもメアリー・ハーカー(くすはらゆいさん)。
庭園で出会った吸血姫。

彼女の抱えたものを知り、向き合うことで、一つの結末へたどり着いたのですが、
いいエンディングだったな、と思えてしまうほどです。
この時点で、メアリーだけでなく、主人公の白鳥律についても、問題が解消しています。


ここで、本来なら終わってもよかった。
けれど、そうじゃないのが「アオイトリ」。
終わったように見えて、はじまりでしかない。

悪魔は別な人間にアプローチをかけています。
それは、メアリーと触れたことが、白鳥律によっては善いことで――、
悪魔の望みにとっては悪かったためでしょうか。


こういうところが、昏さを感じるところで、
アマツツミ」の対比作として、というコンセプトもあるようです。

たしかに、パッケージデザインも敢えて似せていますし、
作中で……主人公が倒れるのも、踏まれるのも、
「なんかぐにゃっとしたもの踏んだ!」とヒロインが叫ぶのも一緒です。
敢えて、の部分を踏襲しているのは面白いです。
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体験版2は9月ごろにリリースされる予定だそうです。
ストーリーの流れが公開されており、今回の体験版は「はじまりの3日間」と名付けられていますが、
次回の体験版では、共通ルートを体験できるとのこと。

さらに、物語の流れも公開されており、共通ルート後にどのような分岐をしていくかまで。
本編のキーになっていくのは、海野あかり(秋野花さん)のようですね。

体験版のネタバレにはなりますが、悪魔は、海野あかりに力を与えようとします。
唆すのではなく、与えるだけ。
与えられた海野あかりは、最初からアオイトリを憎んでいます。
悪魔には、ただ尋ねただけ。
「貶めてほしいアオイトリは、どこにいるの」と。

恐らく海野あかりは、作品に登場する頃には、秋野花さんが似合う、
なんともかわいらしい雰囲気で登場するのではないかなと思いますが、
それとルートに入るときに見せる表情は別だという予告ですね。

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リリース予告もあって、すごく親切だし、計画的に作っているんだなというのがわかります。
が、情報公開しすぎてはないかな、と思ったりもしています。
これは、前作「アマツツミ」の時と同じ印象です。
購入者利得を減らしてしまわないかな、と。

メアリー・ハーカーは、体験版後にポンコツ化(kawaii)するそうなので、
(ちなみにこの表現、公式サイトにある表現ままです)

さらに公式サイトを見ていると、今回は小夜ルートが正史、メアリーが外典、理沙が外伝、
そしてあかりは黙示録、とのこと。
奇跡の力をもつ“特別”な主人公やヒロインたち、超常の存在である悪魔までもが、
全部まとめて “普通”の人間である海野あかりさんにやられていくお話です。
これがあるので『アオイトリ』です。
ということで、企画シナリオの御影さんが明かしているように、
どんな展開なのかまで、作品完成前に伝えてくれています。
この、先行して情報をどんどん発信する方式には反対ですが、気概は強く受け止めました。
特に、体験版終わった後で読んだせいでしょうか。期待できると思っています。


「アオイトリ」では、タイトルロゴにも、相当こだわっている印象があります。
良いデザインです。
また、テキストウィンドウの送りアイコンも、アオイトリになっています。
あるいは、キャラクタによっては、アカイトリに。


一方で、システムコンフィグは相変わらずなところもありますね。
UIデザインも、
ちょっと、他のいろいろに比べて、もう少し洗練されてもいいかなと思っています。

あ、そういえば、体験版を64ビットモードで遊ぶことができないのですけど、
環境の問題ですかね?

ウィンドウ可変ができないのも、ちょっと残念。

しかしグラフィック面は本当に今作も素晴らしいです。

背景がマットな色合いで、長らくpurpleさんで見られた、きらきらと輝く印象は抑えめ。
例えば霧原学園の廊下などは、まさにそれ。
庭園の天蓋に見える月も、これまでの作品にないくらい、はっきりと描かれています。

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また、雪が降ったり、桜の花びらが舞うことがあるのですが、
これがすごく良い。
動きが、とても自然なものとして映るんですね。
極端に負荷をかけ、力技でやっていないからこそできる自然な表現。
素晴らしいと思います。


最終的にはもう、買うことになると思います。
単純に、どうなるのか気になるので。

ブランドさんに求めるものとは違ったとしても。

悪魔が哄笑するなら普通ですが、
それらを喰うほど、人間が暗いところを見せるなら……興味を引きますよね。


2017年11月24日(金)発売予定です。