SILKEY’S PLUSさんの「バタフライシーカー」体験版プレイしました。
シルキーズプラス A5和牛 『バタフライシーカー』

シルキーズプラスさんの新作は、”クライムサスペンスADV”、「バタフライシーカー」。
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北国の大都市、白織市は、夏は霧に、冬は雪に煙る街だ。
人口が多く、雪が斜めに降りしきる街並みは、刺繍絵のように美しい。
白織と名前に見合ったものに思える。

元々は、白澱または白檻と書いたそうだ。
昔から、雪や霧という白の世界に閉じ込められた街だったのかもしれない。

だからなのか。
過去から現在に至るまで、血なまぐさい事件が絶えない。
事件は、知人による犯行が統計的通例だが、白織では他人による異常犯罪が多いのだ。

これに対抗するため白織は異常心理犯罪対策班を発足したが、
明らかに人員が足りていない。
そこで、学生捜査員が制度化された。

遠野圭介も、学生捜査員の一人。
――ちょっと変わった能力がある。

遺されたもの、ほんの一部でも触れると、圭介には映像が見える。
直接的な死因ではなく、読み解くことは難しいが、
後から考えると非常に良く繋がった要因となる過去の映像。
オカルティックだが、原理などはよく分かっていない。
その能力を、圭介は探査と呼んでいる。

いつから出来るようになったのかは分からないが、使おうとする意志は理解している。

圭介には義姉がいた。
義姉の九重透子は、優しい人だった。
昆虫採集をして、標本にしようとすると顔を曇らせる。
料理では肉や魚を全く扱えない。なので、お惣菜が多かった。

6年前、ある事件に巻き込まれたのだ。
後に蜘蛛と名付けられた異常犯罪者の……。



体験版は、1.03GBでした。

システム面は、こう、いつも通りというか、
かゆいところに手が届かない、ちょっと不親切な感じがします。

ウィンドウサイズも調整できませんし、
セーブファイルは100と少ないですし、
バックログジャンプは無くバックシーンが搭載です。

機能面は不安が残りますが、こういうジャンルですから、大事なのは他のところです。

他のところは……なるほど、すごく良いですね。
良さが実感できます。

まず。
サスペンス作品です。
主人公は特殊能力を持ってはいますが、それは事件の遠因を示唆するのみで、
一気に解決するわけではありません。
かつ、今回はプロファイリングなど、心理心象をメインアプローチにしています。
ですから、その心の動きを表現する必要があります。

そういう事柄って、直接的にどう発言したか、よりも、
発言はこうだけれど、こんな印象だった、とか。こう聞こえた、とか。
外側から物事や人を図るモノだと思うんです。
そのためには、大事なモノがあります。

それが、地の文。
登場人物視点で、どう見えたか、どう聞こえたか、どんな様子かを、
ユーザーに伝える、把握させることで、面白さはグッと変わります。
というか、それがサスペンスたらしめるモノだと思うんです。

それを、テキスト面でしっかりと描いてくれているんですね。
この表現により、会話だけのやり取りでは、
できないジャンルなのだなぁと深く納得しています。

でも、スピード感は大事です。
しっとりとゆっくりと進んでいくような舞台ですが、
スピードが必要な展開は随所にある。
だから、多すぎない。必要な量だけ書いてある。

なので、そのまま本として読んでも面白いくらいに仕上げてくれています。
うーん、これはすごい。

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ただ、タネというか、犯人が追いかけているモノについては、
意外に早く分かってしまったところがあって、
それは恐らくこういうジャンルをプレイしているからかなぁと思ってしまったり。

ケースに至っては、ビジュアルを見せた方がより効果的だったかもしれませんが、
テキストだけでもしっかり伝わります。
もう少し楽器についてのこだわりを見せてくれても良かったかもしれません。

でも、これが分かったぐらいでは、こんなものではないと主張するように、
この作品は、大きな仕掛けを体験版で見せてくれました。


例えばそれが、ヒロインたち。
ヒロイン達も、圭介並みに何か色々と抱えていそうです。

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氷室千歳(くすはらゆいさん)は、両親から過剰な締め付けを受けていたせいで、
笑うことが怖かったほど。
両親が亡くなり、今では笑うこともできるものの、共感能力の欠如に心を痛める。
逆に、情報暗記と処理能力が高く、事件分析に活躍します。

早乙女羽矢(あじ秋刀魚さん)は、名前の通りぴゅーっと飛び出して、
ばーっと片付けようとする活動派。傘は竹刀の代わりにしています。
その運動能力と、交友関係の広さから思わぬ糸口を持ち出し、
あるいは巻き込んでいきます。

共感能力の高い天童優衣(花澤さくらさん)は、家庭環境は非常に温かいのに、
どうしてか学生捜査員に対し「これだ!」と思った。
事件に出くわす度に心を痛め、体調を悪くすることも。
しかし芯は強いのか、切り替えたらやってのける。
「私は、遠野くんの敵なのかもね」
このセリフからも、物語のメインストーリーとなるのは天童優衣になるのかもしれません。

一番不安なのは。
桐生先生とは、ルートちゃんとありますよね……?
学園の教師ですが、実は白織警察異常心理犯罪対策係の一員。
そして、圭介と透子のことをよく知っている。

透子のことは、お互いにとって難しい壁だと思いますが、
姉のことを知っている二人だからこそ、というのは、良い終わり方になると思うんですけど。
お互いのことだけ見ていられる状況を、作り出していて欲しいなと。
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この表情すっごく良いと思うんですよね……。
桐生梓先生は、御苑生メイさんが演じていらっしゃいます。


見せ場を作るだけでなく、次に引くための、仕掛けは。

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「あったかくしてね、凍えてしまわないように」
この、かわしまりのさん、すごく……すごいです。

果たして、圭介は、その理由に至ることが出来るのか。
しかしそんな渇望を嘲るように。
6年前にその活動を終えたはずの連続殺人鬼「蜘蛛」が、再び活動をはじめる――。


惜しむらくは、これ、11月にプレイしたかった作品かもしれません。
舞台の雰囲気を味わうなら、プレイする季節も合わせた方が良かったのかも。

2018年3月30日(金)発売予定です。