Harmoriseさんの「ひとつ屋根の、ツバサの下で」感想です。
2018年2月発売作品。

ハーモライズさんの「ひとつ屋根の、ツバサの下で」は、
”ひとつ屋根の下の恋愛空戦ADV”、となっています。

戦闘機は、戦後、乗り物となり、
競技としてFF、フェアリーファイトと呼ばれる模擬空戦が行われるようになっていた。
この作品は、そのFFを中心に描いたものです。

体験版プレイして、航空機ファイトというものを題材にしたことと、
日野カツヒコさんのお名前がクレジットされていたので、
ビジュアル面での心配はなさそうだと思っての購入です。

それでは、感想です。
さほどネタバレは無いと思います。



キャラクタ原画は、雛咲葉さん、カグユヅさん、OSTEREiさんです。
シナリオは、秋月ひろさん、持田康之さん、桜野伊吹さん、春眠暁さん、
玉沢円さん、時田シャケさんとなっています。
さらに、内田弘樹さんがシナリオ協力としてクレジットされていますが、
これは恐らく飛行機関連の設定などに関してだと思われます。

そのお陰でしょうか。
飛行機関連の表現は、リアリティが高いと思います。
それが悪い部分になっているところもありますが、それはそれとして。
どんな風な動きをするのか、どれくらいの耐久力がある機体なのか、
どんな興りがあるのか、後継機はあるのか。
そこが面白いといえば、そうです。

でも、そのリアリティの高さと、ヒロインとのルートに入ることとが、
どうにもマッチしていない。
テンションが合っていないというか。

ルートで起きるイベントも、単なる競技になっていて、
しかも急にファンタジーが強くなる。

飛行機のリアリティさに、表現が追いついていないところも見受けられます。
果たして、テキストとイベントCGだけで、右捻り込み、といわれて伝わるでしょうか?

また、立ち絵とイベントCGに妙に差があって、
ルートに入らなければ、広沢ひかりは、明るい同寮生でしかないし、
ルートに入ったら、そんな明るい同僚生が見せる艶、という形になって、
それはそれで良いんですが、それにしたって雰囲気が大分違う。

全体的にイベントCGと立ち絵に大きく差があるんですよね。

ストーリーも同じように、いきなりヒロインの方を向くので、
いってみれば、制作会社が共通ルートと個別ルートで違うくらいの感覚があります。

個別ルートは、CGも気合いが入っていて、艶っぽく、
そういう展開を盛り込んでいて、別ジャンル。

ですが、ヒロインとの物語として考えると、イベントや要素の記号化が凄まじいです。
ひかりと幼い頃一緒に過ごしたことがある、というエピソードは、
そんなにも軽く扱って良いのでしょうか?
ルートに入ったらかなりあっさりと明かされてしまいます。

同じように、神野菜穂子先輩の展開は、分からなくはないけれど、という感じで、
ツバサ荘だけでなく、FF大会をも巻き込みました。
その上でやっと菜穂子と主人公は気持ちを繋ぐのですが。
FF大会は添え物になってしまったように思います。

佐々木一彩は、一番気になっていたキャラクタです。
何かありそうに見えたのは、妹とのことでした。
これはこれで楽しめましたが、
一彩の場合、登場から好感度の高いキャラクタとして受け止められたからでしょう。

松本三毬は、総合的な物語に見えました。
巻き込み方が、神野菜穂子よりも派手になります。
が、そのために登場したキャラクタがステレオタイプで、
分かりやすい悪者になっていました。

そもそも、同じ寮である理由もあまりありません。
そのほうがキャラクタが動かしやすい、それだけに透かせて見えます。

それに、テキスト関連のミスも少々目に余ります。
ミスの数が多くはないけれど、同じテキストが繰り返されるとか、
一回も通し読みしてないのかなと思ってしまうのです。
何より、これで物語として描ききったのか。
恐らく飛行機好きな方が企画されたのだと思いますし、
それでスポーツ展開というのは、昨今流行になった作品による盛り上がりとか、
表現技術向上を見ても、やり時のであるのは間違いないでしょう。
後悔のないほどにやりきったか。です。
できないこともあるでしょうけれど、それでもと思うのです。

ht2

物語は物足りなかったのですが、本当にCGは豊富なのです。この物語量に対して。
イベントCGは美麗ですし、彩色も素晴らしいです。
ほんと神野菜穂子先輩とか、色っぽいですし、
広沢ひかりも、イベントCGになると急に色っぽいし、
佐々木一彩は、いい表情するし、
松本三毬は、大人びた表情を見せてくれる……とまあ、
刈山祭子だって、イベントは無いのかと思うくらい。

クレジットされている方々なら、もっと面白くできたはず……そんな風に思ってしまいます。