Triangleさんの「魔法戦士イクシードナイツ」感想です。

2018年6月発売作品。
Triangleさんの「魔法戦士イクシードナイツ」は、
これまでのストーリーを継承しながら、新たな敵、そして魔法戦士が登場する新作です。

魔法の適性が確認された沢渡継は、
明るい真咲百果とクラスメイトになり、生徒会長の裁明寺紫苑には気さくに迎え入れられ、
魔法科へ転入生活を送ることになった。

しかしその日。ノエルと名乗る存在が現れ、
継がある血筋を引いていることを伝えられると、
キールという名前と、世界を支配する野心とが満ちて……。

そんな導入でした。

それでは感想です。
ネタバレは少しあります。
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キールとなった継は、魔法で世界的に甘樹菜々芭博士や、
国際教導学園理事長の百合瀬莉々奈、
つまりシンフォニックシュガー、シンフォニックリリーを圧倒しながら、
自分の力を作ろうと聖涙石を使います。
真咲百果と裁明寺紫苑を次世代の魔法戦士、イクシードナイツに変身させます。

イクシードナイツたちは、継に唆され、キールに敗れ続けるうち、
シンフォニックナイツを信じ切ることができず、刃を向けてしまう……。

というのが中盤の物語になるわけです。


最初に書いてしまうと、期待しなかったところが、想像以上に楽しめました。
意外でしたが堪能しました。


新しい魔法戦士が登場した今作は、
前作「魔法戦士ネクストイグニッション」からの続きであるように思いますが、
前作をプレイしなくても物語は分かります。
あまりストーリーは気にしないほうが良いのかもしれません。
「ネクストイグニッション」と違い、一部の魔法戦士のみ登場し、
新しい魔法戦士中心に進んでいきます。

が、キャラクタの性質、お約束は分からないかもしれませんね。
新しいユーザーが入るには、もう少しガイダンスが必要です。
世界設定だったり、お約束はどんなものなのかを理解してもらう時間が。

ショックを与えて引き込むやり方もありますが、
そこまでの構成にはなっていません。

そう考えると、新しい魔法戦士でこれまでのユーザーに納得してもらおう、
でもこれまでのユーザーにも満足して欲しいので、
人気の魔法戦士で前座と締めをしてもらおう。
そんな作りになっているように思います。
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さて。
体験版の感想でも少し書きましたが、整合性が甘いですね。
イベントCGとテキスト。
前のシーンと後のシーンと。
キャラクタと整合性の合わない行動。

例えば。
キールが下魔をけしかけて襲ったシンフォニックリリーに対し、
次回同じように襲って「初めてじゃないんだね?」というのは前後関係を無視していますよね。

足が腰に巻き付いているとテキストで書いてあるのなら、
イベントCGでもそうして欲しいですね。
そのほうが良いです。
でもグラフィックでは足は開いたまま。

雷撃魔法と書いてあるけど炎魔法だったりとか。
剣を持っていたのに急に触手を体内から取り出していたりとか。
(これはテキストも適当です)
体験版の時にも分かっていましたが、こういうことが多いです。


グラフィック。表情差分がすごく良いキャラクタがいます。
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例えばシンフォニックリリー。非常に色っぽい表情をするようになりました。
リリーのイベントCGは、表情に注目です。
イクシードピーチも、非常に良い表情をしますね。


システム部分。
画面右側のメニュー。これ良いですね。
さらに、AUTOモードを始めようとボタンをクリックして、
音声テキストが進んでしまうことがありません。素晴らしい。
音声は聞き逃したくないのです。


音声。
せっかくの音声が小さいです。
これは収録の問題なのか、音声編集の問題なのか。
分かりませんが、コンフィグで最大に調節しても、他の作品の75%程度の音量です。
せっかくの良い声が小さいのって本当にもったいないので、
改善していただきたいですね。

それにしてもシンフォニックシュガー、いや成瀬美亜さん、すごいですね。
公表されているお話ですが、耳の調子が悪いとのこと。
でも、このクオリティの演技。素晴らしいですね。


内容的なお話ですと、
魔法戦士自身の口で、シーン中にされていることを説明するセリフを言ってしまうのが、
一つの魅力ではあるのですが。
新しい魔法戦士には、もうちょっと教育が必要だったりしないかなと思ったり。
ある程度はキールが教育してくれますので良いのですが。
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一方で、敗北後の翌日、学生として素知らぬ顔で昨日はどうだったのか聞くの、
可能性を感じますね。
最終的には、ピーチやアイリスが学園に出てこなくなって会話が出来なくなるので、
ダメージ確認に帰結してしまいそうですが、別な要素が強いです。
前日に受けた敗北のダメージを、されたことを、
平静の時に本人に振り返らせるという、追い打ちなんですよね。
なので、ピーチやアイリスの翌日というのは、
段々と慣れてきている、染まってきているのが分かって、良いと思います。

もう少し掘り下げて、さらにダメージを与えることができそうです。
なかなか盛り上がると思います。
ただ今は自動的に話し出してしまうので、
そこをうまく話すように誘導すると責めている感じが出て面白いかも。

また、そのうちの一つで。
例えばイクシードアイリスが上魔に破れた後の電車。
発情してしまうところから、流されるギリギリで慌てて途中下車をして終わりますが、
そのまま流されてしまってバッドエンド、という展開も面白そうでしたよね。

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そうなんです。
全く期待していなかったんですが、ピーチとアイリスが相当良かったです。
びっくりしましたね。
あ、こんなにシーン良いんだ、新たなる世界の戦士達やるじゃん、と思いました。

ピーチとアイリス、デザインとかカラーリングは改善の余地がありそうなだけで、
後はなかなか良いですよね。
声優さんもかなりうまいと思います。
ピーチはありかわ真奈さん。アイリスは桜水季さん。

Triangleさんならではの定番や王道シーンを抑えていますし、
その上で新鮮さもあります。
デザインが一新された、新しい声優さんによる魔法戦士というだけでなく、
これまでの責めを踏襲し別要素をプラス。
でもカラーリング?は、何かもうちょっと外連味出せたんじゃ無いかと思います。
ピーチは髪と目の色はもう少し明るくするとか。
アイリスは髪にツヤをのせるとか、色が際立つようにするとか。
柔らかさと軽さを色合いで表現しても良いと思うんです。

アイリスは本当に、グラフィックがもっと良ければなと思うことしきり。
まだピーチは、表情差分が良いのと女の子っぽさがあるのですが、
というよりピーチは表情がすごく良いですが。
アイリスは、その支えが無いのに、声優さんの巧さとテキストだけで頑張っていて、
よりもったいなさを感じます。

そして、その責めはフルコースめいていて、
次作以降に出てくることが出来るかどうか不安になるほどです。
衆人環視、触手、コスチューム変化、電車内、させられる、責め側が常時2回、などなど。
野次馬が大活躍していて良いとは思うんですが、
今作で使い捨てられてしまうのかなと、不安に思ったりもします。

でもシナリオの進行上、この二人はキールとセットですよね。
メイン原画を担当された斎藤なつきさんがマスターアップイラストを描かれていて、
ということを仰っていますが、本当にピーチとアイリス、良いです。
堕ちていこうというのに、最後までピーチらしいセリフ。
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ストーリー上のキャラクタとしては、残念ながら微妙なところです。
力を与えられて、力の把握、その活かし方、相手の把握が少なくともできていなかった。
舞い上がってしまったのかなと思うと分かりますけど。
力が消失しても特にシナリオ上で影響なく戻ってしまう。
そうなると、力を失くした理由が、無くなってしまうんですよね。
二人の場合、過去の事故のことがありました。
それを単なる聖涙石のきっかけとしてだけでなく、二人の気持ち。
ここをしっかり描かないと、守れないとまた失うから凝り固まった行動になる、というのが、
今ひとつ伝わりにくくなっていますよね。
というか、魔法戦士シリーズにおいて、イクシードナイツの意義ってどんなものなのでしょうか。
これに限らず、もう少しだけ考えてあげて欲しいんですよね。キャラクタを大事にしてほしい。

魔法戦士EXTRAステージ2」のセレナやシンシアみたいに、
表情と声は素晴らしかったのに、続かない。
そんなキャラクタになってしまうのは本当にもったいないですから。

ただ、キャラクタを大事にするといっても、悪と戦うという軸があり、
そして負けてシーンに移行するお約束がある以上、
構築が本当に難しいと思うんですね。

戦う部分でも、ヒロインとしても日常から魅力があって、
さらにシーン上では惹き付けてくれないといけない。
一つのキャラクタは複数の軸といくつもの魅力を必要とされる、
過去作がある以上、シリーズ上での生き様まで決めておかないといけない。
難易度の高いキャラクタメイクが求められる。

だからか。
人気の魔法戦士シンフォニックリリー、シンフォニックシュガー、そしてスイートリップの3人は、
今作でも、どうもやられ役としてしか機能していないように思えます。
スイートリップは、その後をしっかり描いて欲しいところですよね。
何のための登場しない時間があったのか分からないです。
せっかく、色々と元に戻った、初めてという描写もあったのに、活かされてない。
シーンもピーチに負けています。
また、これも扱いを気をつけないと、次回作に登場させる時が大変です。
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立ち絵も、バランスから表情までおかしいところがありますね。
立体感の出る描写を立ち絵にも適用してほしいです。

副官ノエルはどうもかわいいなと思ったら、
ノエルはキールをただサポートしていくだけのわかりやすいキャラクタで、
かつ八つ橋きなこさんの声なんですよね。


そうそう。
今後、環境音なども入れても良いんじゃないでしょうか?
一般市民のガヤを入れてみたりとか。
今作だと店内放送みたいなものを入れて臨場感を出すとか。
それと、BGV。これも用意してもいいと思います。

CGのクオリティが安定しませんね。
彩色はもうちょっと頑張れそうな印象です。
液体表現ももうちょっと艶っぽくできそうな気がします。

描写と提示されたものが違うとか。
魔法戦士の行動に賛同できないとか。考え方に納得がいかないとか。
こういうことの何が良くないかといえば、プレイヤーを夢から覚ましてしまうんですよね。
現実には起こらないことを楽しんでいるので、
だからこそ、没頭できるように引っかかることは抑えたほうが良さそうです。

整合性だけなら、一度プレイしてみれば発見できてしまいそうなのですが、
やっぱり修正するまでとなると、なかなか難しいのでしょうか。


Triangleさんは、こういう変身ヒロインモノでトップを走っていると思うんです。
だからこそ、期待が高くなってあれこれ注文を付けてしまいますが、
新しいヒロインが登場して、活躍を見せてくれたことに今後も期待ができそうです。
まだまだ、やれることはたくさんあると思いますから。

ですが次の作品となると、少なくとも来年ですよね。待ち遠しい。


新しい試みもあって楽しめますので、オススメです。