森見登美彦さん原作「ペンギン・ハイウェイ」観てきました。

2018年8月17日公開作品。
「ペンギン・ハイウェイ」は、森見登美彦さんの小説を原作とするアニメーション映画です。 
ぼくはたいへん頭がよく、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。
今日計算してみたら、ぼくが大人になるまで三千と八百八十八日かかることがわかった。

この、こまっしゃくれた少年だという印象を持つ書き出しで始まる原作を読んで、
ますます物語への期待を高めました。

さて、アニメーション。

日々、着実に成長を実感していく少年が出会った奇妙な出来事。
日常に入り込む、街を歩くペンギン。

種別は分からない。オモチャのような目をしている。
仮にペンギンだとして、なぜ急にこの街にやってきたのか。
そして、どこから来たのか。
そもそも彼らは本物のペンギンなのか。

少年は、彼がそうしてきたように、研究対象に加え、ノートを作り始める。
ノートのタイトルには、図鑑に載っていた、
群れを成すペンギンが同じ道を歩いて行くことからできるルート、
「ペンギン・ハイウェイ」と記して。

それでは、感想です。


うーん!この夏一番面白い映画かもしれません。

原作がジュブナイル小説で、その時点で既に面白かったのですが、
それをどのように映像化するのかが気になっていました。

小説の場合には、文字で描かれた場面を想像し、空想の世界を旅することになりますが、
アニメーション化されると、それをビジュアルで見せてくれることになります。
ここで、誰が想像したビジュアルになるのか、ですが、
自分が想像したもの、ではないわけです。
そこが楽しみでもありますね。

センスオブワンダー。

この映画は、素晴らしい映像体験をさせてくれたと思います。
これは、小説を先に読んでいたから、できた体験です。

アオヤマ君の描き方。
ペンギンを出す瞬間。
お姉さんの描写。
ハマモトさんの研究とハマモトさん。
どれもが、魅力的でした。


特に、クライマックスの描き方です。
多少、難しいところもある作品でしたので、
ビジュアルで提示してくれると非常に良く伝わります。
それを、アニメーションだからこそ、できる魅力的な表現をしてくれたこと。
これに尽きます。

これ、お話としては実写化もできそうではあるんです。
けれど、どんなに頑張っても、
このアニメーション表現を超えることは出来ないだろうなと思います。

原作でもエンディングがどう表現されるのかが特に気になっていましたが、
想像を超えてくれました。

それでいて、物語は魅力的なまま。
アオヤマ君は、この夏の経験を超えて、少しだけ大人になります。
それでもアオヤマ君らしさはそのまま。

素晴らしい作品でした。


エンディングロールに「鏡の国のアリス」がクレジットされていましたが、
ジャバウォックが登場するからですね。


音楽もかなり良かったですよ。
このCDブックレットに記載されている、お姉さんとアオヤマ君が背中を併せて座る姿は、
エンディングロールのラストで線画だけで表現されていましたね。


アオヤマ君は、この夏を超えて、残り3,700日の過ごし方を決めます。
それは、サウンドトラックの最後の曲。
『新たな研究』。
彼は、何かを追い求めるのです。
いつか必ず、そこに届くと、疑わずに。