NieR:Orchestra Concert 12018」がパシフィコ横浜国立大ホールで行われました。


先日発売された「NieR Orchestral Arrangement Album」のコンサートが、
9月17日(月・祭)、パシフィコ横浜国立大ホールにて行われました。




みなとみらいの駅周辺は区画整理がなされており、
建物ひとつひとつが大きく、ニーアの世界もこんな雰囲気かもしれないと感じていました。

パシフィコ横浜国立大ホールは、二枚貝を模した外観、ホール内は巻き貝とのこと。
非常に見やすく、椅子も座りやすい、移動中も海が間近に見えるホールです。
階段を登りながら、遊覧船の航行が見えたりしました。


さて、18時間際。
ブザーが鳴り、席で待っていると、まずは、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の皆さん、
東京アートアカデミーシンガーズの皆さんが登場。
オーケストラとコーラス合わせて120人もいらっしゃるのだとか。

そして、岡部啓一さん、と、2人の女性がステージへ。
「ニーアシリーズの作曲を担当している岡部啓一です。本日はよろしくおねがいいたします」

さらに、ナビゲートをしてくださる2人を紹介してくれます。

エミール役の門脇舞以さん。
「素晴らしいオーケストラのコンサート、一緒に聞けることが本当に嬉しいです。
 みなさんの心に想いが伝わるように語らせて頂きますので」
2B役の石川由衣さん。
「私も門脇さんもブラックボックスイヤリングを付けています。
 衣装も二人で相談しながら」
門脇さんは白いカーディガン。石川さんは黒。こんな感じだったようですね。

前回のステージよりも落ち着いていらっしゃったように思えました。
「肩肘張らずに、みなさんなりの、周りに迷惑のかからない楽しみ方をしてくれたら。
 演奏が終わったら惜しみない拍手をしてくれると、
 さらに演奏者がより良い演奏をしてくれるんじゃないかと思います」
という前説があって、コンサートが始まります。


構成は、朗読劇と、今回のコンサート用に用意された映像を流していくというもの。

1部で「ニーアレプリカント」、休憩を挟み、
2部を「ニーアオートマタ」、という構成でした。

合わせて2時間30分くらい。休憩が20分ありましたら、2時間10分程度でしょうか。

楽曲の構成は、会場で販売されていたパンフレットに掲載されていますが、
改めて振り返りたいと思います。


オーケストラのコンサートは、音合わせの瞬間がすごく好きですね。
いよいよだ、という気持ちになるからですが。

そして、指揮者の大井剛史さんが登場。
観客席に一礼して、1曲目は『夏ノ雪』。
何よりも大切にしたかったもの。

「今から遠い昔。僕達の世界は滅び掛けていました……」
門脇舞以さんにスポットライトが当たります。
ニーアレプリカントで、冒頭の都市部、夏に雪が降る場面を思わせる、
しっとりした語り……。

ニンゲンの白塩化、環境の悪化により、人は選択をする。


2.『イニシエノウタ』
楽曲は「NieR Orchestral Arrangement Album」準拠で、
この曲も、頭は包容力に溢れた優しい入り方でありながら、
コーラスと管楽器によるラストは、最終局面で立ちはだかる二人を表現しているようでした。


3.『光ノ風吹ク丘』
プレイした時は、フィールドの広さを感じたものです。
映像ではフィールドの奥に見える山や、遺跡といったものを見せてくれました。


4.『エミール』
エミールという存在も、世界に共通したもの、とは言い難い。
記憶が無くなっているようで、しかし、その時の感覚はあるようで。
「あたたかな仲間でした……」
石化の瞳を持ち、姉として生まれた存在を取り込み、
その姿は忌まわしいものになってしまったけれど、
この姿でならば、彼のことを見ることができた……。
ピアノと弦が奏でる優しさが、エミールらしく思えました。


5.『掟二囚トラワレシ神』
映像では、彼と、掟に定められた試練に挑む仮面の王が映っていました。
ほんの少しでしたが、狼のマモノとおじいさんが映されて、
どうしてこうなっちゃったんだろう……と感じたりも。


6.『愚カシイ機械』
オルガンと管楽器が映える楽曲。
鉱山の中は奇妙な色合いで、マモノと触れあった機械が何かを紡いでいきます。


7.『オバアチャン』
「本当に正しかったんでしょうか……」
エミールだけでなく、プレイヤーもが必ず悔いる場面。
クラリネットが奏で、ピアノが支えるのは、おばあちゃんに手向けた白い花輪。


8.『魔王』
トランペットが開幕を彩るのは、魔王の顕現なのか。
ティンパニーが入り、オーケストラならではの楽曲です。
魔王の姿は、マモノの色した、ニンゲン……。


9.『Ashes of Dreames』
「ニーアレプリカント」A、Bエンドのような気持ちで見ていました。
映像は歌詞を筆記体で綴っていました。


再びエミールが登場し、想いを語ります。
「そこで知ったのは、人類が既に滅んでいるということ……」
ピアノが入る、語りは続きます。
「カイネさん、あなたがいなくなって長い月日が流れました。
 ぼくは、みなさんに逢いたいんです……」
エミールの嗚咽の中、1部ラストは10.『カイネ』。

サプライズで登場したのは、緑のドレスでの登場、エミ・エヴァンスさん。
カイネを歌い上げてくれました。

この構成は、いつから決まっていたのでしょうか。

休憩時間となり、トイレに行こうと歩くと、男女問わず多くの方が涙していました。
カイネからの、カイネへの想いが。
エミールへの、エミールからの想いが。
彼が想ったものたちと、彼への想いが。
それらをなぞらえて、伝えてくれるようでした。

ステージへ降り注ぐ歓声。

直前に、「ニーアレプリカント」をプレイし直していたことがすごく良かったようで、
自分もこの流れで『カイネ』が来て、ぐっときてしまいました。


休憩時間終了を告げるアナウンスは、2Bから。
「こちらヨルハ部隊所属、2号B型……。来場者は速やかに着席すること」


11.『遺サレタ場所』
原曲と入りが大きく違い、年数の経過を表すような弦楽から始まる曲。
映像は1部とうってかわって、大きくキャラクタを映すようになります。
2Bが抱えた秘密と、9Sへの想い。
バンカーから地球を見る様が一瞬だけ映ります。
アダムやイブも映り、全ての予告のようでした。


12.『遊園施設』
「地上に降り立った私達が出会ったのは、兵器なのに戦わない、奇妙な存在……」
2Bによる朗読は、殲滅すべき機械生命体と触れあったことを伝えてくれました。
コーラスの厚みがとにかくすごい。
ここでの映像は、ゲーム本編で遊園施設を俯瞰で見るものが使われると良かったかも。


13.『美シキ歌』
「だから、私を無視しないで……」
この曲もコーラスの圧がすごいです。


14.『顕現シタ異物』
マルクスであり、エンゲルスであり、資源回収ユニットであり……。


15.『「塔」』
「心の底にある、不安を押し殺したまま……」
2Bの不安は、間近に迫るその時を感じ取っているのか。
映像は、しばらく塔ではないものを映していました。
最後に崩壊する塔が映ると、あの方舟はどこへゆくのか考えたりもしました。
一瞬だけ映るデボルとポポル……。


16.『依存スル弱者』
この弱者とは何を意味するのか、ずっと悩んでいます。
後半のコーラスが本当に良いです。


17.『双極ノ悪夢』
二つの円が回転し重なり合う映像。
コウシ、ロウシだけでなく。刃を向け合うことになる9SとA2をも。
「異星人は、機械生命体の手によって滅んでいた。
 人類会議は、嘘だった……」


18.『追悼』
コーラスによって歌い上げられるこの曲は、
全ての喪われた生命への弔い。
論理ウィルスに冒される2Bも、重なり合うように倒れる双子も。


19.『終ワリノ音』
崩壊するバンカー。
地上ではA2の手によって塔が崩れ去り、9SとA2は相打ちになる。
崩落に巻き込まれる最後のヨルハ。

「この世界が呪われていても、生命には意味がある。
 だから私は、キミと出会ったんだ……ナインズ……!」


20.『Weight of the World』
ジュニーク・ニコールさんが登場。

この歌声を聞いたときに、気付いたんです。
NieR Orchestral Arrangement Album」、素晴らしいのですが、足りないものがあると。
それは、歌声。
歌声が入ってこそ、この曲は完成します。

少しテンポを落として、でもより伝わるようになったと思います。
(先に登場したエミ・エヴァンスさんと合唱するかと期待してしまいました。)

付き従ったポッド2体は、ヨルハ計画の最終命令に背く……。

世界が壊れても、生命が途絶えても。誰かの思いが消えても。
意味は、ある。


(この動画は前回のコンサート「人形達ノ記憶」での『Weight of the World』です)


一通り終わると、皆さんが再登場。コメントを述べてくれました。

門脇舞以さん
「エミールが言っていたように、みなさんに逢いたいです。ずっとその想いが続いていて」

石川由衣さん
「音楽で満たされた気持ちになる」

エミ・エヴァンスさん。
「大事に思っている『カイネ』を歌えて嬉しかったです」

「みなさん愛してる!」
(エミさん、ジュニークさん、お二人とも日本語でコメントされていました)

岡部啓一さん
「本当に、本当に、ありがとうございました」


エミールと2Bとが語り合う。
「僕達の願いは、叶わなかったのかもしれない」
「私達の祈りは、届かなかったかのかもしれない」
「でも、何度でも同じ事を繰り返すと思う」
「何度失敗するとしても」


ex21.『全テヲ破壊スル黒キ巨人』

最後にバシッと締めて、そしていつも通り、エミールと2Bとで小ネタを入れて、
このコンサートは終わりました。


客席は女性が半分以上はいたのではないかと思います。
物販や展示の列にも同じように。
たしか、前回のよみうりホールでも同じだったように思いました。
何か、響くものがあるのでしょうね……。

その、「人形達ノ記憶」では、追悼の雰囲気が満ちていたように思います。
ラストの「Weight of the World」こそが心髄で、壊れた世界を想うこと。

今回のオーケストラコンサートでは、
コーラスのせいもあるのでしょうか、この世界への賛歌であるように思いました。


この日の帰り、大雨が襲いましたが、それは、空が何を嘆いたのか。
NieRの楽曲は、どれもこれもが悲しみを降らせています。


この夜公演をニコニコ生放送でタイムシフト試聴ができます。
10月16日(火)まで。
2,500ニコニコポイント(税込み2,500円)



記憶で残しているので、あやふやなところがあります。
ニコニコでの配信をご覧になって、ぜひ楽しんでいただければと思います。